むち打ちとは
頸椎捻挫、外傷性頚部症候群という名称であり、一般にはむち打ち症(鞭打ち症、むちうち症)またはむち打ち損傷という名称もあります。
自動車事故などで首やその周辺を強い衝撃で頭部と胴体が異なる向きへの動きにより打ち身・捻挫などを引き起こし、その動きを打った後のしなった鞭に例えたものが名称の由来です。
むち打ちの症状
交通事故に遭ったその日はほとんど症状が出ることがなく、翌日あたりから、首や背中の痛み、頭痛、めまい、吐き気など様々な症状が確認されることがほとんどです。
筋肉、靭帯、関節などの痛みなため、レントゲンなどでの画像診断では異常が確認されないことが多いです。
また、脳脊髄液減少症という(髄液が慢性的に漏れることにより発生するもの)脳機能障害を発症することもあり、放っておくと様々な病気の原因となりますので注意が必要です。
自賠責保険について
自賠責保険とは、自動車損害賠償責任保険の略で、自動車やバイクなど、公道を走行する上で法律により加入が義務付けられている、別名強制保険と言われているものです。
・自賠責保険証明書不携帯で30万円以下の罰金
・未加入で走行した場合 1年以下の懲役または50万円以下の罰金、違反点数6点(免許停止処分)
が課せられます。
「自賠責保険」って、何を補償してくれるの?
基本的に人身事故での対応となり、傷害、死亡、後遺障害の3項目に分けられます。
- 傷害
- 慰謝料、治療費、交通費、休業補償、すべて含めて120万円まで補償してもらえます。
- 死亡
- 慰謝料、葬儀費用、死亡しなければ得られた収入(逸失利益)など、最高3000万円まで補償してもらえます。
- 後遺障害
- 等級によって分けられます。(1~14等級)
14等級で75万円、介護を要する1等級で4000万円まで補償してもらえます。(要介護でない場合3000万円)
自賠責に請求をする際には、「被害者請求」と「加害者請求」という方法があり、交通事故の状況によってその請求方法は変わってきます。
「被害者請求」被害者が直接自賠責に請求する方法
- ・自賠責請求キット
-
- 診療報酬明細書(医療機関にて記入してもらうもの)
- 通院交通費明細書(最寄りの駅や停留所を記載、領収書などを添付)
- 休業損害証明書(事故前3か月の給与明細のコピーなど)
- 事故状況報告書(交通事故現場の詳細を記したもの)
- ・交通事故証明書(各都道府県の交通安全センターに請求をします)
- ・印鑑証明書(交通事故当事者本人のもの、有効期限発行から3か月以内のもの)
「加害者請求」加害者が被害者に損害賠償したあと、それを自賠責に請求する方法
- ・自賠責請求キット
-
- 診療報酬明細書(医療機関にて記入してもらうもの)
- 通院交通費明細書(最寄りの駅や停留所を記載、領収書などを添付)
- 休業損害証明書(事故前3か月の給与明細のコピーなど)
- 事故状況報告書(交通事故現場の詳細を記したもの)
- ・交通事故証明書(各都道府県の交通安全センターに請求をします)
- ・印鑑証明書(交通事故当事者本人のもの、有効期限発行から3か月以内のもの)
- ・示談書(当事者がお互いに損害賠償請求を行わないため)
交通事故の相手が任意保険に入っていなかったら
交通事故の相手が任意保険に入っていなかった場合は、自賠責保険で治療をしましょう。
自賠責保険により、傷害の場合で120万円まで補償されます。
ただし、歩行中や自転車などで負傷した場合は自賠責保険を使うことができません。
その場合はご自身の任意保険の「人身傷害保険」を使って治療が出来ます。
私が10割の加害者…。でも、むち打ちの症状が…。
ご自身が10割の加害者で相手側の保険が使用できない場合は、ご自身の任意保険の中にある「人身傷害特約」を利用して治療ができます。
この特約は使用しても等級は下がらず、来年度の保険料には影響しません。
補償される内容は、過失割合に関わらず、入院通院にかかった治療費と交通費、働けない期間の休業補償、精神的苦痛の慰謝料が補償されます。
また、保険会社によっては様々な付加サービスも充実しておりますので、一度保険証券をご覧下さい。
病院と整骨院の違いは?
病院は、レントゲンやMRIなどの画像診断と診断書の作成。また薬の処方ができます。
整骨院は、画像にも表れない症状や骨の歪み、筋肉の張りなどを、手技中心の治療で症状の根本的な改善が望めます。
どちらが良いというわけではなく、どちらにも役割があります。
患者様のご希望であれば、併用して通院して頂くことも可能です。
整骨院に通う場合は、医師の診断書を元に治療をしていきますので、まずは病院での受診と診断書が必要となります。
私ども交通事故治療・むちうち相談サポートは、交通事故治療の経験や知識が豊富で、ある一定の基準を合格した優良治療院と提携しております。
万が一、通院したいがどこを受診したらよいのかが分からないときは、ご連絡ください。
あなたに合った治療院を探します。
病院の方が慰謝料が高いって聞いたけど本当?
慰謝料は、病院でも整骨院でも変わりません。
整形外科などに通った方が高いということも耳にしますが、病院も整骨院も同じ医療機関で役割分担の治療をします。
慰謝料とは、交通事故に遭わなければ負うことの無かった、精神的苦痛に対して支払われるものです。
慰謝料の算出方法
A:¥4200×治療期間
B:¥4200×実治療日数×2
A B どちらか低い方が慰謝料として選ばれます。
専業主婦も、休業補償が出るの?
専業主婦も、休業補償は出ます。
交通事故に遭ったことによって、働くことのできなかった主婦(家事従事者)でも一日当たり¥5700補償されます。
主婦でもパートとして働いているなら、¥5700またはパートの日給のどちらか高い方が選ばれます。
就労者であれば、最高で¥19000が補償されます。
事故前直近3か月の給与明細か事故前一年間の平均より、一日当たりの日給を算出します。
有給休暇を使って休業補償を得ることもあります。
交通事故によるケガにて有給休暇を使った場合、勤務先からは休んでいないものとして扱われてしまいますが、本来自由に使える有給休暇を使わざるを得なくなったので、休業損害を考える際には有給休暇を使用した日も含めて考えます。
また個人事業主は、事故前一年間の所得を365日で割って日額基礎収入を計算します。
所得の証明に関しては、前年度の所得税確定申告書の控えや課税証明書などの資料によって行います。
確定申告をしていない場合や、過少申告をしていたために上記資料が実際の所得額を反映していない場合は、帳簿や銀行取引明細等の財務書類によって証明することになります。
マイカーで通院した時、交通費って出るの?
マイカーで通院した場合も、交通費は補償されます。
自家用車の場合1km=¥15で計算されます。
また高速代、駐車場代などの実費も請求できます。
公共の交通機関の場合、バス電車は全額支給され領収証は不要です。
ご自宅と治療院の最寄りの停留所または駅を申告します。軽傷の場合は認められない場合もあります。
また、タクシーの場合は、利用することがやむを得ないと判断される場合のみ請求が可能です。
必要なものは領収書とタクシーに乗る理由です。
これはよほどの理由がないと保険会社も支払ってくれませんので、保険会社を納得させる理由(大腿骨骨折で歩けない、近くに駅や停留所がないなど)を申告しましょう。
また、治療院が会社の近くにあり、通勤の際の定期券に含まれている場合は、交通費は請求できません。
交通事故がなければ支払う必要のない交通費は全額請求しましょう。
突然、保険会社からの治療中止の電話…まだ症状が改善されていないのに…
治療を受ける権利は、患者様にあります。納得のいくまで治療をしましょう。
保険会社は医療機関の先生からの情報でしか、症状改善の経過が分かりませんので、患者様の自覚症状までわかりません。
治療プランは主治医とよく相談をしながら進めていくことが大切です。
保険会社が一方的に治療を止める権限はありません。
ただ、自賠責保険の場合は傷害の限度額で120万円までしか認められていませんので、長期に渡る治療は難しくなってきます。
もしも、主治医にこれ以上手の施しようがないと言われた場合には、自賠責保険を使っての通院が認められないこともありますので、任意保険の人身傷害保険もしくは、後遺症の申請に切り替えましょう。
保険会社が治療を止める原因や、患者様が治療を行う方法がわからない場合は、私ども交通事故治療・むちうち相談サポートまでご相談ください。
後遺症が残ったら?
後遺症が残ったら、弁護士に相談をし、後遺障害の認定を受けましょう。
後遺症は、交通事故に遭ってしまい一定期間治療をしても症状が改善しないときや、今後の生活に大きな影響を与えることになった場合などを言います。
これ以上治療をしても改善の見込みがない場合は、「症状固定」となります。
この「症状固定」になった後に自賠責へ後遺障害の認定申請をします。この申請には、弁護士の申請と医師の診断が必要となります。
また、後遺障害には1級から14級に分けられ、1級と2級については要介護かそうでないかに分かれているため合計で16の等級があり、受傷部位と症状でも等級が変わってきます。
申請方法には「事前認定」と「被害者請求」とがあります。
- 「事前認定」
- 相手の保険会社に後遺症の申請をしてもらいます。
- 「被害者請求」
- 後遺症認定を行う本人が自賠責へ直接申請します。
綿密で適切なポイントを押さえた書類の作成をしないといけないため、本人自身で行う場合は書き方などがわからないことも多くあります。
より上位の後遺障害の認定を獲得するには、弁護士に相談することをおすすめ致します。
私が10割悪い。人身事故に切り替えて自分の体を治療したいけど、治療費は自賠責保険で請求できるの?
この場合、自賠責保険は使えません。
自賠責保険は、被害者救済を元に施行されたものですので、1割でも過失があれば自賠責保険を使用することが出来ますが、10割過失の場合は使用することが出来ません。
治療を受ける際には、ご自身の任意保険の人身傷害特約で治療が出来ます。
この保険は、たとえ10割過失でも、過失割合に関係なく補償してもらえますし、保険会社が手続きなどを進めてもらえる為、治療を受ける側としてはストレスなく通院できます。
それに、「特約」となっているため、来年度の保険料にも影響なく(等級変動なく)使うことができます。